あらすじ

今より別の時代、別の世界―――

ジパングと呼ばれる16の地域に分かれる倭の國は争っていた。
その中でも突出して強く、一大勢力となった宮の國の戦鼓士、そして王である、巨埃。
巨埃の打ち鳴らす音は、7つの國をなぎ払い、7年の歳月をかけ、ジパングを統一した。
巨埃には2人の息子がいた。1人は血の繋がっている慈陀。
そしてもう1人が養子として育った、この物語の主人公、阿図。
2人は兄弟として育てられた。巨埃は息子を後継者にすべく、戦鼓の技術を叩き込んだ。
阿図と慈陀は切磋琢磨し、成長を遂げる。
「戦鼓士は剣士としても屈強であれ」という教えのもと、その言葉通り、武人としても、戦鼓士としても、兄弟の右に出るものはなかった。
そして慈陀24歳、阿図20歳の時に、事件が起きる。巨埃が暗殺されたのだ。

そしてその暗殺の容疑が第一発見者のある者にかけられた………。